漢方の流派(考え方)には様々なものがあり、それぞれに特徴的があります。あげるときりががありませんが、日本漢方、中国漢方、韓国漢方などが有名だと思います。私自身もそのすべてを知っている訳ではないし、またマスターしている訳でもないので、偉そうな事は言えませんが、どの考え方も非常に興味深く、また個々において特徴にも違いがあり、好んで使う生薬の組み合わせなども微妙に違うように思います。ですので、同じような症状や病気でも、診る漢方医によって診断(弁証論治)が違い、処方は当然のごとく微妙に、時と場合によっては大きくに変わります。そこが漢方の面白さでもあり、大きな落とし穴なんだと思います。すなわち、西洋医学のように、「誰が出しても同じような薬でそれなりになんでも効く」といったエビデンスが、漢方にはほとんどありません。漢方医には古典的な四診の技術、診断的な直感、熟練した弁証論治が大切であり、そこに科学的な根拠は全く存在しません。「効くも効かないも、ある意味出たとこ勝負」。これでは患者さんはたまったものではありません。この点に悩んだあげく、いろいろな勉強を行い、たどり着いた方法が私が行っている方法:「構造主義」というやり方で、もっとも西洋医学に近い漢方治療方法だと思っています。どの流派だろうと使う生薬の薬理効果には変わりはありません。麻黄(エフェドリン)の効果は100年たっても、麻黄(エフェドリン)で同じです。すなわち生薬の薬理作用を中心に薬の構造を組み合わせた新しい漢方のやり方です。次回は構造主義についてお話しと趣味についての話をさせていただきます。